サーバー環境について

プロジェクトサーバー

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J2EEサーバー(旧資料)

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目次

  1. はじめに
  2. プロジェクトサーバーとは?
  3. プロジェクトサーバー自体の立ち上げ
  4. 成果物を管理するリポジトリの構築
  5. PEXA初期ファイルセットの登録
  6. PEXAのアップデート反映


はじめに

このドキュメントは、プロジェクトサーバーの構築ガイドです。
PEXAベースの開発プロジェクトにおいて使用する開発用サーバーの構築例を以下で解説します。


プロジェクトサーバーとは?

プロジェクトサーバーとは、開発プロジェクトにおける各種成果物の管理リポジトリを作業者に対して提供するサーバーです。
ここでは以下のツールを使用したリポジトリ構築及びPEXA初期ファイルセット登録、PEXAのアップデート反映までを解説します。

成果物管理リポジトリ以外にも以下のようなサービスを提供することがありますが、このガイドでは特に扱いません。
必要に応じて各種ツールのドキュメントなどをWebで参考にして組み込んでください。


プロジェクトサーバー自体の立ち上げ

プロジェクトサーバーのハードウェア及びOSについては、プロジェクト毎の都合で自由に選択してください。

一例としては、

  • Linux系OSやWindowsサーバー系を利用
  • VMWare等で仮想化されたプロジェクトサーバーを一台の物理マシン上に複数構築
等があります。


成果物を管理するリポジトリの構築

成果物管理リポジトリはファイルバージョン管理システムで構築します。
ファイルバージョン管理システムはCVSやVSS等何種類かありますが、このガイドではSubversionを例にして説明します。

Subversion自体のドキュメントはWebで公開されているので、以下のページを参考にしてプロジェクトサーバーにインストールし、アクセス権限設定等を行ってください。

Subversionをインストール後、Apache HTTP Serverと連携させることでWebブラウザからリポジトリの内部を参照することができるようになります。 Subversionのクライアントが無くても成果物を参照できるようになるので、ぜひ連携させてください。 連携させる方法は上記のSubversionドキュメントに解説がありますのでそちらを参照してください。

SubversionおよびHTTPサーバーとの連携ができるようになったら、ドキュメントの解説にあるとおり、以下のようなフォルダ構成にします。

  • リポジトリルート
    • branches
    • tags
    • trunk
プロジェクトの各作業者がアクセスするのはtrunk配下になります。
brachesおよびtagsはプロジェクトが進行して細かい管理が必要になった際に使用します。

ここで構築されたリポジトリにアクセスするには以下のような手段があります。

Webブラウザによるリポジトリアクセス

Apache等により、以下のような設定になっている場合、

  • プロジェクトサーバー名 : sysn.atrris.com
  • 接続ポート : 80(HTTP)
  • ルートURL : /repos
trunk配下を参照する場合は以下のURLをWebブラウザに入力することでリポジトリにアクセスできます。
  http://sysn.atrris.com/repos/trunk


SVNクライアントによるリポジトリアクセス

リポジトリにアクセスするための専用SVNクライアントとしては、以下のような物がありますので適宜使用してください。

  • TortoiseSVN : WindowsのExplorerに統合されるタイプです。
  • Eclipse + Subclipseプラグイン : ローカル開発環境で使用するEclipseに統合されるタイプです。



PEXA初期ファイルセットの登録

リポジトリの準備ができたら、PEXAの初期ファイルセットを展開してリポジトリにインポートします。 この作業が完了すると、プロジェクトの各作業者が自分のローカル開発環境にファイルをチェックアウトできるようになります。

例として、Eclipse + Subclipseを使用した手順を下記で説明します。

  1. Eclipseワークスペースにリポジトリのtrunkをチェックアウト
  2. PEXA配布パッケージを使用してプロジェクト初期ファイルセットをEclipseワークスペースに展開
  3. PEXA追加機能パッケージを使用して必要な追加機能をEclipseワークスペースに展開
  4. Eclipse上からプロジェクトファイルセットをリポジトリにコミット
  5. リポジトリへのコミット対象外とすべきファイルを設定

Eclipseワークスペースにリポジトリのtrunkをチェックアウト

  1. Eclipseのパースペクティブを「SVNリポジトリー・エクスプローラー」に切り替える。

  2. SVNリポジトリのViewを右クリックし、[新規]-->[リポジトリロケーションの追加]を選択する。

  3. 表示された登録画面で、リポジトリのルートURLを入力してリポジトリロケーションを登録する。
    今回の例ではルートURLを"http://sysn.atrris.com/repos"とする。

  4. 登録したリポジトリロケーションを選択して展開し、表示された"trunk"というフォルダを右クリックし、[チェックアウト]を選択する。

  5. 表示されたチェックアウトオプションの画面で、[新規プロジェクトウィザードを使ってプロジェクトとしてチェックアウト]を選択する。

  6. 新規プロジェクトの生成ウィザードが続けて表示されるので、Javaプロジェクトを選択してウィザードに従ってプロジェクト設定を行う。
    この時に指定するプロジェクト名には特に制約は無いが、基本的にはプロジェクト名と同一にする。
    今回の例ではプロジェクト名を"SYSN"とする。

  7. ウィザードを最後まで進めると、Eclipseのワークスペースに"SYSN"というフォルダが作成される。
    この時点では何もファイルが登録されていないので、SYSNというフォルダには何も無い状態となっている。
    このフォルダの中にPEXA配布パッケージで初期ファイルを展開する。


PEXA配布パッケージを使用してプロジェクト初期ファイルセットをEclipseワークスペースに展開

初期ファイルセットの作成には、PEXA配布パッケージという物を使用します。
これを使用することで以下のような事ができます。

  • 成果物を格納するフォルダ構成を指定されたプロジェクト名に従って展開
  • 成果物をビルドするためのant用build.xmlファイル等を指定されたプロジェクト名に従って展開
  • PEXAが標準で提供する各種ライブラリやファイルを展開
  • すでに展開されているプロジェクトにPEXAのアップデートを反映
以下の手順で展開を行ってください。
なお、ここでの説明とほぼ同じ内容がPEXA配布パッケージに含まれているreadme.txtにも記述されていますので、そちらも参照してください。

  1. あらかじめ、Sun microsystemsのJDKおよび、 apache antをインストールしておいてください。
    また、コマンドラインから実行できるようにあらかじめパスを通しておくと便利です。
    上記2つのインストール先を今回の例では以下としておきます。

      JDKのインストール先 : C:\Program Files\Java\jdk1.6.0_10
      Antのインストール先 : C:\develop\apache-ant-1.7.0
    

  2. 以下の環境変数をあらかじめ設定します。

    • JAVA_HOME : JDKのインストール先を指定します。
    • ANT_HOME : antのインストール先を指定します。
    • PRJNAME : プロジェクト名を指定します。半角英数字のみ使用できます。
    • PRJHOME : 新規作成時はプロジェクトの展開先を指定します。update時は対象プロジェクトのホームを指定します。

    今回の例では以下のようになります。

      set JAVA_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.6.0_10
      set ANT_HOME=C:\develop\apache-ant-1.7.0
      set PRJNAME=SYSN
      set PRJHOME=C:\develop\eclipse\workspace\SYSN
    

  3. PEXA配布パッケージはzipファイルで提供されているので、まずローカルマシン上の任意フォルダに解凍します。
    例として、ここでは展開されたフォルダを"C:\temp\pexa-distribution"とします。

  4. コマンドプロンプト(DOS窓?)を開き、以下のようにして解凍したフォルダに移動します。

      cd C:\temp\pexa-distribution
    

  5. コマンドライン上から、antのビルドターゲットを実行します。
    ここでは新規プロジェクトのファイルセット生成を行うので、以下のように実行します。

      ant newproject
    

  6. 環境変数"PRJHOME"で指定したC:\develop\eclipse\workspace\SYSNにフォルダ及びファイルが展開されているはずなので、確認してください。 フォルダ構成についてはreadme.txtに記載されているので、そちらを参照してください。

    
    


PEXA追加機能パッケージを使用して必要な追加機能をEclipseワークスペースに展開

標準ファイルセットを展開したら、更にそのプロジェクトで必要となるオプショナル機能をPEXA追加機能パッケージを使用して展開します。
これを使用することで以下のような機能やツールをプロジェクトファイルセットに追加できます。

  • 印刷フレームワークのドライバクラス(SVF向け、JasperReport向け)
  • 汎用カレンダサービス(EJB)
  • 定期的にサーバーサイドで繰り返しサービスを起動するためのスケジューラー
  • 追加ツール群(Excel関連、Jude関連など)
以下の手順で展開を行ってください。
なお、ここでの説明とほぼ同じ内容がPEXA追加機能パッケージに含まれているreadme.txtにも記述されていますので、そちらも参照してください。

  1. PEXA配布パッケージ使用時と同じように、JDKやantのインストール及び、環境変数の設定をしておきます。

  2. PEXA追加機能パッケージはzipファイルで提供されているので、まずローカルマシン上の任意フォルダに解凍します。
    例として、ここでは展開されたフォルダを"C:\temp\pexa-distribution-ext"とします。

  3. コマンドプロンプト(DOS窓?)を開き、以下のようにして解凍したフォルダに移動します。

      cd C:\temp\pexa-distribution-ext
    

  4. コマンドライン上から、antのビルドターゲットを実行します。
    ここでは必要な機能のみ反映することも、個別の機能を一つ一つ反映することも出来ます。

    全てを一括反映するのであれば以下のように実行します。

      ant install
    
    個別に反映する場合はそれぞれの反映用ビルドターゲットを実行してください。
    どのようなターゲットがあるかについては、詳しくはreadme.txtを参照してください。

  5. 環境変数"PRJHOME"で指定したC:\develop\eclipse\workspace\SYSNにフォルダ及びファイルが展開されているはずなので、確認してください。 フォルダ構成についてはreadme.txtに記載されているので、そちらを参照してください。

    
    


Eclipse上からプロジェクトファイルセットをリポジトリにコミット

必要なファイルを展開し終わったら、最後にリポジトリへファイルセットをコミットします。

  1. Eclipse上からSYSNプロジェクトを選択して右クリックし、"Refresh"を選択してファイルシステムとEclipseを同期させてください。
    そうすると、PEXA配布パッケージ及びPEXA追加機能パッケージによりSYSNプロジェクトに展開されたファイルセットがEclipse上から見えるようになります。

  2. ファイルセットがEclipseから見えるようになったら、SYSNプロジェクトを右クリックして、[Team]-->[コミット]を選択します。

  3. コミット画面が表示されて、そこでコミット対象ファイルのリストが表示されるので、内容を確認した上でコミットコメントを記入してリポジトリへのコミットを実行します。 コミットコメントは「初期ファイルセットのインポート」といった内容を入力してください。


リポジトリへのコミット対象外とすべきファイルを設定

ここまで展開されたファイルセット上で各種ビルドを行う事で、XMLから別のファイルが実行されるようになります。 このようなビルドタスクによって生成されるファイルは成果物リポジトリでの管理対象外(常にビルドによってのみ生成されるべき)であるので、 それらのファイルについてはプロジェクトの各作業者が間違ってコミットしないようにあらかじめコミット対象外であることをリポジトリに設定します。
コミット対象外は以下のファイルやフォルダとなります。

  • %PRJHOME%\build配下全て
  • %PRJHOME%\src\java\%PRJNAME%\share\business配下の*.javaファイル
  • %PRJHOME%\src\java\%PRJNAME%\share\key配下の*.javaファイル
  • %PRJHOME%\src\java\%PRJNAME%\share\proxy配下の*.javaファイル
Subversionの場合は、コミット対象外のファイルやフォルダの親フォルダに対して、SVNプロパティを設定することでコミット対象外ファイルを指定することが出来ます。 svn:ignoreというSVNプロパティでコミット対象外となるファイルやフォルダの名前を指定します。今回のSYSNプロジェクトの例では以下のような設定となります。

  1. %PRJHOME%への設定

      今回の例での設定先フォルダ  -->  C:\develop\eclipse\workspace\SYSN
      設定するSVNプロパティ  -->  svn:ignore   build
    

  2. %PRJHOME%\src\java\%PRJNAME%\share\businessへの設定

      今回の例での設定先フォルダ  -->  C:\develop\eclipse\workspace\SYSN\src\java\sysn\share\business
      設定するSVNプロパティ  -->  svn:ignore   *.java
    

  3. %PRJHOME%\src\java\%PRJNAME%\share\keyへの設定

      今回の例での設定先フォルダ  -->  C:\develop\eclipse\workspace\SYSN\src\java\sysn\share\key
      設定するSVNプロパティ  -->  svn:ignore   *.java
    

  4. %PRJHOME%\src\java\%PRJNAME%\share\proxyへの設定

      今回の例での設定先フォルダ  -->  C:\develop\eclipse\workspace\SYSN\src\java\sysn\share\proxy
      設定するSVNプロパティ  -->  svn:ignore   *.java
    



PEXAのアップデート反映

PEXAは実プロジェクトで必要とされた機能やツール類を常に追加し続けているので、頻繁にアップデートされます。
このPEXA自体のアップデートはここまでで説明したPEXA配布パッケージ及びPEXA追加機能パッケージを使用して各プロジェクトに反映することが出来ます。 反映方法はプロジェクトの新規生成時とほぼ同じです。環境変数を設定した上で反映用のantビルドターゲットを実行します。

なお、アップデート内容についてはリリースノートがそれぞれのパッケージ中に含まれているのでそちらを参照してください。
このリリースノートは配布パッケージ解凍後のトップフォルダ及び、各プロジェクトの以下のフォルダに反映されます。

  • PEXA配布パッケージのリリースノート : %PRJHOME%\doc\material\pexa\ReleaseNote.txt
  • PEXA追加機能パッケージのリリースノート : %PRJHOME%\doc\material\pexa\ReleaseNote-ext.txt
今回の例では以下のファイルになります。
  C:\develop\eclipse\workspace\SYSN\doc\material\pexa\ReleaseNote.txt
  C:\develop\eclipse\workspace\SYSN\doc\material\pexa\ReleaseNote-ext.txt

PEXA配布パッケージによるアップデート反映

PEXAエンジン本体やantビルドツール等が更新された場合はPEXA配布パッケージを使用してアップデートを取り込みます。 プロジェクト新規性政治と同じように環境変数を設定した上で、配布パッケージ中のbuild.xmlで以下のantビルドターゲットを実行してください。

  ant update-all
これでアップデートされた各種ファイル類をローカル開発環境の対象プロジェクトに上書き反映されるので、 変更されたファイル類の差分をチェックして特に問題が無ければリポジトリにコミットしてください。

※注意!!!
アップデートの取り込みの際は、プロジェクト新規生成時に使用したnewprojectターゲットは絶対に実行しないでください。

プロジェクト新規生成時と違い、アップデート時には上書きしてはならない(プロジェクトで個別に更新される可能性がある)ファイルがいくつかあるので、 もしnewprojectターゲットを実行してしまうと、そのプロジェクトで編集されたファイルが初期状態に戻ってしまいます。


PEXA追加機能パッケージによるアップデート反映

追加機能が更新された場合は、PEXA追加機能パッケージでアップデートを取り込みます。
プロジェクト新規生成時と同じように環境変数を設定した上で、追加機能パッケージ中のbuild.xmlで対象のビルドターゲットを実行してください。 ここで指定するビルドターゲットは、プロジェクト新規生成時と同じターゲットを使用できます。

これでアップデートされた各種ファイル類をローカル開発環境の対象プロジェクトに上書き反映されるので、変更されたファイル類の差分をチェックして特に問題が無ければリポジトリにコミットしてください。



更新情報

  • 最終更新者 : $Author: morishita $
  • 最終更新日時 : $Date:: 2009-01-20 13:38:51 #$
  • バージョン : $Revision: 3101 $



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